2010年8月21日土曜日

コーネル・ウェストとの対話:1年目のオバマ、隅に追いやられた黒人の政治的課題

人種、ジェンダー、平等に関する問題を論じるブログオンラインマガジン「Race Talk」に20102月に掲載されたインタビュー「A Conversation with Cornal West: Obama's First Year and the Marginalization of the Black Political Agenda 」を翻訳しました。インタビューはハフィントンポストに転載され、http://www.huffingtonpost.com/kathleen-wells/a-conversation-with-corne_b_472853.html で原文の英文を読め、独特の「コーネル・ウェスト節」のインタビューを聴くこともできます。オバマへのウェスト教授の愛のムチが炸裂!(大竹秀子)

                                          Photo: Tony Grier



こんにちは。 キャスリーン・ウェルズです。 Race-Talkの政治記者です。 先週、Dr. コーネル・ウェストとお話する機会がありました。 プリンストン大学の宗教学、そしてアフリカンアメリカン研究の教授です。

私たちの対話のテキストを載せますので読んでください。 Race Talk のサイトで録音を聴くこともできます。お楽しみください。


企業優先 隅に押しやられた黒人のアジェンダ

キャスリーン・ウェルズ:  Dr. ウェスト、お話する時間をとってくださってありがとうございます。 Dr. コーネル・ウェストとお話ししています。プリンストン大学のアフリカンアメリカン研究そして宗教学の教授です。 今月2月は黒人歴史月間ということでもあり、お話しする機会をもてたことを喜んでいます。 本当にありがとうございます。

Dr. コーネル・ウェスト: こちらこそ、ありがとうございます。

ウェルズ: ではまず、オバマ大統領の最初の年についてうかがいます。 オバマ大統領は1年目の任期を終えたところですが[1]、あなたは彼の選挙戦と大統領としての仕事を批判してきた -- というよりも、批判的に分析してきましたね。 彼の1年目は、特に黒人コミュニティにとって、そして米国全般にとってどのような影響を与えたと思いますか?

ウェスト: シンボルという点では、最高点のAを与えますね。大統領に就任することにより、志気を高め、希望と可能性を与え、その高揚をある時点まで持続しましたから。 でも実質的なレベル、つまり、政策や何を優先するか、貧困層と労働者大衆黒人の大半がこれにあたりますが について言うなら、 Cマイナス ですね。実質的に意味のあることは何もやっていません。

象徴的なレベルでは興味深いダイナミズムを生みましたが、この途方もなく大きなイ ンパクトにもガス欠が始まり、実質的なレベル雇用、住宅、教育、医療 ではCで、まだ何の期待にも応えていません。黒人に関していうなら、オバマはもう黒人の支持を無条件で当てにはできません。

ウェルズ: オバマ大統領に対して点が辛すぎませんか? フランク・ルーズベルト大統領以外に労働者階級や貧困層を政治課題の中心にすえた大統領はいなかったのでは?