2011年9月20日火曜日

トロイ・デイビス処刑予定前夜に:NAACPから祈りと断食、思索、正義への闘いへの呼びかけ

トロイ・デイビスの処刑が’予定されている2011年9月21日(明日)に向け、NAACP(全米黒人地位向上協会)のベン・ジェラス議長から、祈りと断食、思索、正義への闘いへの呼びかけです。急ぎ、翻訳しました。(2011年9月20日。翻訳:大竹秀子)



(9月21日 8:10PM米東部時間):トロイ・デイビスの処刑は、連邦最高裁判所が弁護側とジョージア州の言い分を再検討し、延期に価するかを裁定するために、一時猶予中。今晩のうちに裁定を出すか、1週間中に出すか、予断を許さない状態です。


(9月21日10:40pm米東部時間)残念な結果に。米最高裁、トロイ・デイビスの処刑阻止のため、介入しないと決定。今夜、まもなく、処刑が行われる模様。


速報:米東部時間9月21日午後11時8分、トロイ・デイビスの死刑が執行されました。
「正義を求める闘いが、私と共に終わることはありません。これは、私の前にいた、そして私の後に来るすべてのトロイ・デイビスのための闘いです。私は意気軒昂ですし、祈りにあふれ、心やすらかです。それでも、最後の息が絶えるまで闘い続けます」 トロイ・デイビス 
(9月20日、アムネスティ・インターナショナルUSAに寄せた言葉




私たちが恐れていた最悪のことが、今朝、起きてしまいました。広まる疑惑にも関わらず、ジョージア州の恩赦・仮釈放委員会は、921日に、トロイ・デイビスを処刑するという決定を支持しました。

いまなお、トロイは、「最後の食事」を摂ることを拒んでいます。彼には自分の命は赦免されるという信念があるのです。 
過去に、彼の強い信念は報われました。トロイが前回、処刑に直面した2008年に、看守はトロイの「最後の食事」を運びました。けれども、トロイは口にすることを拒み、刑務所職員たちの目をしっかりと見つめて、これは最後の食事にはならないだろうと言いました。最後の土壇場で処刑は延期になり、彼が正しかったことが立証されました。看守たちはいまだにこの一瞬を、まざまざと思い出すと言います。トロイの深い信念に根ざした瞬間でした。
とは言うものの、今回、ジョージア州がトロイを処刑する気でいる兆しは否めません。ウィリアム・セッションズ元FBI長官からジミー・カーター元大統領まで、あらゆる人々が執行停止を求めているのにも関わらず



トロイには覚悟ができています。ご家族も、人として可能な限りで、なりゆきがどちらにころぼううとも覚悟を決めています。
これまでにトロイは、何度もこう言いました。「彼らは私の身体を手に入れることはできる。でも、魂を手に入れることはできない。なぜなら、魂は神にゆだねましたから」と。
ですから、恩赦・仮釈放委員会、そしてサバンナの地方検事のラリー・チゾルムへの呼びかけを続けながらも、私たちもまた、どのような結果になろうとも覚悟を決めなければなりません。
トロイとご家族の支えになってください。921日の水曜日には、全国のNAACPの活動家と共に、連帯と祈りと断食の夕べに加わってください。
友達に集まるよう、声をかけてください。トロイの家族に連帯して21日には断食するよう、あなたの家族にも声をかけ、ディナーの時間を話し合いの時にしてください。地元の教会などのコミュニティで、もしすでに21日の夜に集会が予定されていたら、その時間をトロイの処刑について語る時間に使ってほしいと、頼んでください。
どのようなやり方であれ、当日、トロイの処刑が予定されている午後7時には、トロイの体験を思い、彼のご家族そしてマクフェイル巡査のご家族のために祈りを捧げ、わが国にけっしてこんなことを繰り返させないために私たち一人一人に何ができるか、話し合ってください。
死刑を廃止し、わが国の破綻した司法制度を正す闘いにもう一度献身する時です。
トロイの勇気を称え、米国における正義のために再び献身するべく、NAACP の活動家は、水曜の夜、断食をすることになっています。あなたも参加しませんか?
このような時には、理解の限界が試されるものですが、私たちは、世界がトロイの名を忘れることはなく、死刑反対の運動が、強まると確信しています。昨日は死刑を支持した人も、今日はもう、支持することはできません。傍観者でいられると思っていた人も、もうそうではいられないと気づいたからです。
世界の軽蔑は増し、国内での疑惑も増す中で、私たちは、欧米社会では実質的にもうほかに誰も実行することをやめたこの野蛮な伝統が、公正で自由を愛する社会という私たちの自己イメージとそぐわないことにますますきづくことになるでしょう。
たとえ今回、処刑が実際に行われたとしても、トロイの命と、それを救おうとする闘いは、無駄にはなりません私たちはより多くの仲間たちと共に、一刻を争う私たちの大義についてより幅広い共通の思いを手に、前進するでしょう。
21日には、あなたの仲間の活動家たちと共に、祈りと断食、思索、正義への闘いへの献身の思いを新たにする夕べに参加してください。
祈りと決意をこめて

ベン
ベンジャミン・トッド・ジェラス
議長兼 CEO
NAACP
(全米黒人地位向上協会)

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